2014/02/16

Strawberry Fields Forever

The Beatles『Strawberry Fields Forever』



録音:2014年
機材:iMac、Logic、iMovie、iPhone5
楽器:YAMAHA SGV
KORG Trinity Plus

ビートルズのストロベリーフィールズフォーエバーです。
AKBファンは特に良い曲のことを神曲と言うそうです。
この曲は間違いなくビートルズの神曲でございます。
60年代当時シングルで発売した曲はアルバムに入れないという方針だったそうです。
この曲もオリジナルアルバムには収録されず、マジカルミステリーツアーのサントラアルバムに収録されました。
最初に世に出たのは1967年2月17日、シングルでPenny Laneと両A面でした。
今日から、ちょうど47年前です。
まず、47年前の曲ということに驚きを禁じ得ません。

両曲とも、とある場所を懐かしむ曲で、神シングルであります。
Strawberry Fields Foreverはリバプールにあった孤児院、Penny Laneはリバプールにある通りの名前。
Strawberry Fields Foreverの看板はファンの落書きだらけですね。
Penny Laneの方はといえば、シングル発売後ストリートから看板が消えたとか(ファンが盗んだ)。

このシングル、当時のイギリスのチャートでは、Engelbert HumperdinckというおっさんのRelease Meに一位を奪われました。

ビートルズがイギリスチャートで一位をとれなかった最初のシングルとなってしまった。
Strawberry Fields Forever / Penny LaneがおっさんのRelease Meよりもランキングが下だったことについて、その後、『ビートルズ全曲解説』を書いたジョン・ロバートソンという人に、「イギリスのレコード購買層が永久に恥じるべき汚点」とまで言われて、おっさん若干可哀想ですw
でもそれほどのシングルなんです!これは。


昔テレビでMaking Of Sgt.Pepper(だったかな)という番組を観た事があります。
ビートルズのプロデューサー ジョージマーティンがミキサーの前でテープを再生しながら曲の解説をするという夢のような番組でした。
見たいけど、どっかにあるのかなー。→見つけた!!!
その番組でStrawberry Fields Foreverについても解説がありました
マーティンが自伝で語ったところによると、ポールは割と明確にどういう音にしたいのか説明してくれたそうですが、ジョンの説明は抽象的で意図を汲むのが難しかったみたいですね。
そのおかげで、オーケストラを入れたり、音を逆回転にしたり、テンポやキーを変えてみたりと、いろんなバージョンが出来たわけです。

まあ、いろんなバージョンが出来るのは良いでしょう。

普通、じゃあどのバージョンを使おうかって話になります。
しかし、ジョンは「あのさぁ、俺優柔不断でどっちか決められないからさぁ、こっちのバージョンの前半と、あっちのバージョンの後半、繋いでよ」とこう言うんですね。
当時、アナログです。
しかも、その二つのバージョンはテンポもキーも違うと。
ジョージマーティンが頭を抱える姿が目に浮かびます。
マーティン「はぁ…。とりあえず、テープの回転速度変えて合体させてみよっと…」
アナログテープは回転を早めると音が高くなります。逆もまた然り。
マーティンは試行錯誤しました。
こっちのテープはちょっと遅くしてみたり、あっちは早くしてみたり。
すると…。
マーティン「!? あら不思議。テンポもキーも合っちゃったよ!」
こうしてマスターバージョンが出来上がりました。
僕はこの話を聞くまで二つのバージョンが繋がってる事にも気付かず、能天気に青っぱな垂らして生きていたわけですが、言われてみれば確かに雰囲気が変わります。
ちょうど曲が始まって一分くらいのところから切り替わっています。
テープの回転速度を変えたせいで、ジョンの声が太く重い感じになります。
楽器の音色も変わります。

一体この曲一曲にどれほどの時間がかけられたのか、ああ頭が痛くなりますね。

それなのに、ジョンときたらアレンジにまだ納得がいっていなかったらしく、もう一度録音したい曲の一曲にStrawberry Fields Foreverを挙げていますw
それほど、思い入れのある、気に入った曲だったのでしょう。

僕はプロデューサーのジョージマーティンもほんとに好きですわ。

彼のオーケストレーションアレンジとか、音の作り方が中後期のビートルズサウンドに多大なる影響を与えています。
Strawberry Fields ForeverやI Am The Walrusのアレンジは特に秀逸です。
五人目のビートルズなんて言われてるくらいですから。
そのマーティンによると、ジョンのアコギによるデモが最も美しかったと。
あんなにアレンジで苦労させられていながら、弾き語りが一番綺麗だったと、こう言っております。
なんだよそれ聞きたいよ、と思っていたら、Anthology2に弾き語りのデモバージョンが収録されましたね。
シルクドソレイユの「LOVE」バージョンの冒頭も弾き語りが使われています。
こんなん目の前で生で聞いたらそりゃあ綺麗だろうよ〜。
ホームデモの音質だとなかなか伝わらないなあ。

AnthologyやらLoveのおかげでいろんなバージョンが聴けるようになりました。
ビートルズを生で体感出来なかった代わりに、僕ら次世代ビートルズファンはいろんな音源が聴ける。
これもまた一興でございます。

iTunesを「Strawberry Fields Forever」で検索したら六曲出てきました。

■Strawberry Fields Forever (Demo Sequence) [Anthology2]
ジョンのホームデモ。ギターつっかえて「I cannot do it. I cannot do it. テヘペロ!」と言ってるところがカワイイですね!w
たしかにこのアルペジオは歌いながらは難しい。

Strawberry Fields Forever (Take 1) [Anthology2]

僕はこのバージョン大好きです。
メロトロンなのかな?左に鳴っている音のバッキングが綺麗。右から聞こえる伸びやかなスライドギターも綺麗。
楽器が少ない分、ジョンの美声も際立ちます。

Strawberry Fields Forever (Take 7 & Edit Piece) [Anthology2]

合体させたマスターバージョンの前半で使われたテイクが最後まで聴けます。
メロトロンが綺麗です。
終盤「I buried Paul(ポールを埋めた)」と言っていると、ポール死亡説の一因となったフレーズも、「Cranberry sauce」と言っているのがはっきり聞こえます。
話それるけどポール死亡説が出た頃のポールは替え玉だと思われていたって…、ポールの替え玉なんて出来る人いるわけないじゃんw

Strawberry Fields Forever  [Magica Mystery Tour(Stereo)]

マスターバージョンのステレオ
このバージョンが一分のところでテイクが切り替わるやつです。

Strawberry Fields Forever  [Magica Mystery Tour(Mono)]

マスターバージョンのモノ

Strawberry Fields Forever  [LOVE]

ジョンの弾き語りから入って、上記すべてのテイクからいろんな音を持ってきています。
このLOVEのアルバムは、別の曲の音源も持ってきてますからね、全部は把握出来ませんが。
30秒くらいまでが弾き語り、そこからTake1がかぶさって、1分15秒くらいからTake7が入ってきて、ほんでー、1分30秒くらいからオーケストラが鳴ります。
テープ速度はマスターバージョンよりも早い(録音した時の速度かな?)ので、ジョンの声も普段の声で、マスターバージョンよりもテンポが早くキーも高くなっています。


ああ、なんか曲の解説ブログになってしまった。

自分の話を書こうと思ったのでした。

僕がこの曲を始めて聴いたのが多分15歳くらい。

ギターはじめたての頃。
その後高校生になって4トラックのMTR(マルチトラックレコーダー)とYAMAHA SY77というシンセサイザーを使って、多重録音を始めました。
今じゃほとんど見なくなったカセットテープを使うタイプの機械でした。
神曲であるこの曲も録音しました。
4トラックじゃとても足りないので、ピンポンしてなんとか完成させた音源がありますが、これは出来映えが悪いので門外不出ですw
それから15年以上経って、今はMacとLogicで録音しています。
MTRとLogic、アナログとデジタル、両方経験した身からすると、このデジタル化は凄まじい変化です。
「音を視覚化できる」ことが一番の変化です。百聞は一見に如かず。
テープなんかどこになんの音が入ってるのか聞かなきゃわからないし、この音を一拍ずらす、なんてこと出来ません。
そんで、今の機材でもう一回、神曲を録音してみよっと。て思いました。
しかも、聞けばもうすぐ発売日(2月17日)って話じゃないですか。
発売47周年記念(中途半端)と銘打って、UPします♪

高校生の時は、ほぼコピーをしましたが、今回はアレンジ変えました。

変えたと言ってもTake1とマーティンのオーケストラアレンジを踏襲してますから自分でアレジした訳じゃないけど。
このオーケストラ、自分でオーケストラの音を考えてみようという気すら起こさせないほどカッコ良いです。
ジョンのテヘペロアルペジオ風のギターも入れました♪
あと逆回転をたくさん使っています。
MTRの時も逆回転やったんですよ。
テープを逆に入れて録音して元に戻して、再生するんです。
当時、同じようにシンバルの逆回転の音が作れた時、狂喜乱舞しました。
今はクリクリっとクリックすると出来ちゃいますがw

Take1のイントロなしで、いきなりliving is easyって始まるのが好きなので、それで始まります。

2コーラス目から逆回転がふつふつと登場します。
2回目のサビからはオーケストラも入ります。
コントラバスの音色にはこだわりましたが、これでも満足いかない。
やっぱ生音じゃないとだめだな。
ここから左右にピアノとシタールの逆回転の音が入っています。
3コーラス目は逆回転のボーカルと一緒にピアノの逆回転がメロディを奏でます。
逆回転の大変なところは、「音符を逆に弾いて」、それを逆回転にしないと元のメロディにならないことです。
頭が混乱します。
そしてまたサビ。ここのジャッジャッジャッジャッていうコントラバスが好きです。
そして変拍子で苺孤児院よ永遠に、と3回繰り返します。
ラストに行く前に静かなギターとコーラスをはさんで、アウトロに入ります。
この曲、打楽器たちが圧巻です。リンゴも大童だったことでしょう。
最後のフェードアウト〜フェードインもビートルズバージョンと同じです。
キーは、ビートルズのはテープ回転操作やらなんやらでB♭なのかBなのか曖昧なキーになっていますが(デモを聞く限り、ジョンはCで作曲してると思われます)、今回はBで歌いました。
1月22日から録り始めて、、、一ヶ月近くかかったことになります。
気付けばボツトラック含めて100トラックきっかり。
今までで一番時間かけたかも。

動画は、iPhoneで自分で撮ってみました。

なので、今回はNHKは出てきませんw
こないだちょっと暖かかった日、友達の家から帰る時に濃霧が発生していたので、その映像と先日東京を襲った大雪の映像です。
映像も逆回転。
音も逆回転。
いつしか頭も逆回転。

0 件のコメント:

コメントを投稿