デジタルで作成した時に、生音源と意外と違ってくるのがテンポです。Pet Soundsは全て生演奏かつほぼ一発録りのバッキングトラックです。僕はLogic上で音を作っていくわけですけれども、最初にBPM(テンポ)を決めないといけません。これ、あえて設定しない限り、決めるとずっとそのテンポなんです。途中で勝手にテンポ変わったら困るので当たり前ですが……。でもですね、作っていくうちになんだか違和感があるんですよ。この曲、意図したものなのかわかりませんが、パートによって微妙にテンポが変わるんです。もちろん、人が演奏すると俗に「走る」と言いまして、だんだん早くなってしまう傾向はあるのですが、多分この曲の場合、調子に合わせて自然にこうなったのだと推測します。このテンポもコピーしないと雰囲気が出ないことに気づきまして、要所要所BPMを変更してあります。例えば、Sometimes I Feel Very SadとI Guess I Just 〜のパートを比べてみると、前者は割りかし疾走感がありますが、後者はゆったりとしています。ここをサボってずっと同じBPMにすると感じが違ってきてしまうのです。どこでどのBPMにするかさえ決めてしまえば、LogicのGlobal Trackの設定で簡単に変更できます。
オリジナルとは音像、バランス、定位全部がかなり違います。Logicで作る音は初めからステレオ効果があって、全体に響いています。ここがオリジナルと最も違う点かと思います。できるだけSpace Desginerで音像を近づけようとしました。Pet Soundsの音は煌びやかで奥行きがある印象です。
映像はボーカルとバスハーモニカ、背景に譜面です。メイン一人、コーラス五人〜七人。これら全てダブルトラックで入っているので、最大十六人分の声が入っています。バスハーモニカの演奏映像はとても地味ですね^^;。動きが少ないです。
記事、音、ボーカル全てがオタッキーであることに完成してみて気付きました。これはオタクの所業です。ただ曲が好きなだけではここまで労力かけられません。
僕もこの曲のタイトル、I Just Wasn't Made For These Timesの気持ちが分かる気がします。ただし、Brianと違って僕の場合は、遅れて生まれてきた、ということですが……。
さて、I Just Wasn't Made For These Timesの楽器、ボーカルともコピーが完了しました。コピーだけしたって何も面白くありません。コピーした音を録音、ミックスして、完成した時に、ようやく耳コピの醍醐味が味わえるのです。これはオリジナル曲が完成した時の喜びとはまた違います。なんと説明したら良いのか分かりませんが、とにかく違います。
Logic Pro9で音を作っていきます。入っている楽器は先日購入したPet Sounds 50周年に奏者がクレジットされており、全ての楽器が分かります。僕が持っている楽器と言えば、ギター等そこらへんの軽音楽部の高校生が持っているものとさほど変わらないので、Logicのプリセット音源と持っている楽器を駆使して音を作ります。
以下の楽器がクレジットされています。これらをLogicで出来るだけ再現します。この複雑なアレンジはどんな楽器で出来ているのか見てみましょう。
■Drums
読んで字の如し。ドラムでございます。スネアとバスドラムが聴こえます。
Hal Blaineのドラムは音の美しさに定評があります。Logicでは、Seventies Kitを使用します。
急に寒くなって参りました。秋が短くて嫌になります。
今回は、安全地帯の『悲しみにさようなら』のカバーです。I Just Wasn't Made For These Timesに熱中しておりますが、『悲しみにさようなら』が録音しっぱなしになっていたので仕上げました。
シンプルでいい曲ですね。終盤の半音転調繰り返して上がっていくところが好きです。安全地帯はバンドですので、今回は久しぶりにバンドサウンドになっています。構成は、エレキギター2本、アコースティックギター1本、ドラム、ベース、シンセサイザーとなっております。アレンジは玉置浩二さんソロのライブバージョンを参考にしています。安全地帯のバージョンは結構音が硬く、かなりリバーブをかけていましたが、玉置さんバージョンは柔らかくすっきりした感じで、僕はこちらの方が好きです。玉置さんはライブでも歌に遜色がない、いや、ライブのがいいのでは!?と思わせるほどの歌唱力です。声もいいですしね。
前回に引き続き、I Just Wasn't Made For These Timesという名曲のコピー談を書こうと思います。通常、耳コピといえば、コードを拾って、楽器を拾って、それが終わればいざ歌ってみましょう、となるのですが、この曲の場合、「コーラス」もコピーしなければなりません。I Just Wasn't Made For These Times (Stack-O-Vocals)というトラックを聞いてみてください。タイトル通り、ボーカルのみでミックスされたものなのですが、メインボーカルはいいでしょう。はっきり聞こえますし、何回も聞いているので覚えています。問題はLチャンネル、Rチャンネルから聞こえるコーラスです。パッと聞いただけだと何人分入っているのか分かりません。また、音を一個ずつ聴いていくしかないようです。 I Keep Looking For a Place To Fit in〜They Say I Got Brains〜この部分はコーラスがなく、メインボーカルのみです。 Each Time Things Start To Happen Again〜ここからコーラスが入ります。ウーとアーの中間のような、ただ口開けて声を出したような感じです。前回書いたクラリネットの三重奏と同じ音程でコーラスをしています。プラス低音でもう一人入っている気がしますが、はっきり聞き取れませんでした。 Sometimes I Feel Very Sad〜からはさらにコーラスが増えます。Lチャンネルからは聖歌隊のような荘厳な雰囲気のコーラスが聞こえます。これが何を言っているのか分からず、かなり苦労しました。歌詞カードに載っていないのです。何遍も何遍も繰り返し聞いて分かったことには、どうやら英語ではないようだ。となると、もう僕にはその音を拾うしか手段がなくなります。というわけで歌詞を耳コピしたのが、これ。
Kuan ta se re
Un di a se re
Wo kuan ta se re
僕の耳にはこう聞こえました。カタカナで書くと、「クァンタ〜セ〜レ〜、ウンディ〜ア〜セ〜レ〜、ウォ〜クァンタ〜セ〜レ〜」。これをアルファベットで書いただけです。で、すでにこの部分録音済なのですが、録音後に歌詞を発見してしまいました……。その歌詞をググったら英語版のWikipediaのI Just Wasn't Made For These Timesの項に普通に書いてありました^^; アアアアアア!!
それによると、スペイン語で以下のように歌っているらしい。
"O cuando sere? Un dia sere"
意味は英語で、"When will I be? One day I will be"。
んー、音的には大体あってるからいいかw
Rチャンネルから聞こえるコーラスについては、歌詞カードに記載があります。Can't find nothing〜の部分ですね。ここもあれあれ?ってなったのですが、この通りに聞こえなくないですか? どう聞いても Can't の部分がAin't に聞こえます。NothingもRight thingに聞こえる……。公式の歌詞カードが間違えているなんてあるのか?と思いますが、あるんですよね。さらにもう一つ、Rチャンネル中央寄りに高音でコーラスが入りますが、これまた歌詞カードに記載無し。いい加減にしろw これは英語じゃないかと思います。People I know don't wanna beと僕には聞こえました。後で見つけた歌詞サイトによると、People I know don't wanna be where I'm atとありますが、where I'm atというのは僕には聞こえません。
最後の輪唱部分は、Each Time Things Start To Happen Again〜の部分と同じ音程でオクターブ高くなっています。高いFの音が最高音ですが、これはキツイ。Surf's Upカバーした時に、確か僕が出せる一番高い音だとか書いた気がしますが、それです。すごいキツイです。