2016/11/27

The Beach Boys - I Just Wasn't Made For These Times (駄目な僕)

♪I Just Wasn't Made For These Times (駄目な僕)


録音:2016年
機材:iMac Logic
楽器:YAMAHA L-5  TOMBO Ocrave Bass No.1142R

 かなり時間がかかりましたが、完成しました。
 譜面を見たい方は以下のリンクからダウンロードできるようにしましたのでご参照ください。Logicのスコア機能で作成しました。

 この曲に関しての今までの記事は以下をご覧ください。

I Just Wasn't Made For These Times (駄目な僕)〜Pet Sounds 50周年〜



 デジタルで作成した時に、生音源と意外と違ってくるのがテンポです。Pet Soundsは全て生演奏かつほぼ一発録りのバッキングトラックです。僕はLogic上で音を作っていくわけですけれども、最初にBPM(テンポ)を決めないといけません。これ、あえて設定しない限り、決めるとずっとそのテンポなんです。途中で勝手にテンポ変わったら困るので当たり前ですが……。でもですね、作っていくうちになんだか違和感があるんですよ。この曲、意図したものなのかわかりませんが、パートによって微妙にテンポが変わるんです。もちろん、人が演奏すると俗に「走る」と言いまして、だんだん早くなってしまう傾向はあるのですが、多分この曲の場合、調子に合わせて自然にこうなったのだと推測します。このテンポもコピーしないと雰囲気が出ないことに気づきまして、要所要所BPMを変更してあります。例えば、Sometimes I Feel Very SadとI Guess I Just 〜のパートを比べてみると、前者は割りかし疾走感がありますが、後者はゆったりとしています。ここをサボってずっと同じBPMにすると感じが違ってきてしまうのです。どこでどのBPMにするかさえ決めてしまえば、LogicのGlobal Trackの設定で簡単に変更できます。
 オリジナルとは音像、バランス、定位全部がかなり違います。Logicで作る音は初めからステレオ効果があって、全体に響いています。ここがオリジナルと最も違う点かと思います。できるだけSpace Desginerで音像を近づけようとしました。Pet Soundsの音は煌びやかで奥行きがある印象です。
 映像はボーカルとバスハーモニカ、背景に譜面です。メイン一人、コーラス五人〜七人。これら全てダブルトラックで入っているので、最大十六人分の声が入っています。バスハーモニカの演奏映像はとても地味ですね^^;。動きが少ないです。
 記事、音、ボーカル全てがオタッキーであることに完成してみて気付きました。これはオタクの所業です。ただ曲が好きなだけではここまで労力かけられません。
 僕もこの曲のタイトル、I Just Wasn't Made For These Timesの気持ちが分かる気がします。ただし、Brianと違って僕の場合は、遅れて生まれてきた、ということですが……。

2016/11/23

バスハーモニカ

 ハーモニカの中で最も低い音の出るのがバスハーモニカと呼ばれるものです。Pet Sounds録音のためにヤフオクで購入しました。重低音の出る気持ちのいい楽器です。あまりメジャーな楽器ではないため、廉価版、入門版がなくどれも高価だったので、ヤフオクの中古に甘んじたのでした。
 このマイナーな楽器の中ではメジャーなのがSUZUKIのダブルバスハーモニカっぽいです。上段下段にダブルで吹き口があるためダブルバスハーモニカと呼ばれているようです。SDB29、SDB39の二つのモデルがあり、前者は2オクターブ出るモデル、後者は前者の高音部をカットした少し小さいモデルです。なかなかお高いでしょう。

        

 どんな音がするのか。こちらの動画をご覧ください。軽い演奏の後、楽器の解説が聞けます。かなり重厚な音がします。




 僕が買ったのは、SUZUKIではなく、TOMBOという会社のオクターブバスというモデルです。これも形状は違いますが、二段に分かれています。上段がC#、下段がCのキーになっていて、結果音階を全てカバーしています。 

 唯一入門編ぽいものがTOMBOのポケットバスです。名前の通り小さいですが、出る音階が限られています。Cのキー、Amのキーでよく使われる音のみが出るようになっています。
上段 F - G -  C - D - A
下段 D - A - B - E - F#
 以上のような配列になっています。C、Am以外のキーを吹く場合には、向きません。一番安いですけどね。




 歌とバスハーモニカだけのこんな渋いパフォーマンスもあります。これはTOMBOのContrabassでしょうかね。


 以上とりとめもないバスハーモニカの紹介でした。

2016/11/13

The Beach Boys - I Just Wasn't Made For These Times (駄目な僕)〜楽器編〜

 さて、I Just Wasn't Made For These Timesの楽器、ボーカルともコピーが完了しました。コピーだけしたって何も面白くありません。コピーした音を録音、ミックスして、完成した時に、ようやく耳コピの醍醐味が味わえるのです。これはオリジナル曲が完成した時の喜びとはまた違います。なんと説明したら良いのか分かりませんが、とにかく違います。
 Logic Pro9で音を作っていきます。入っている楽器は先日購入したPet Sounds 50周年に奏者がクレジットされており、全ての楽器が分かります。僕が持っている楽器と言えば、ギター等そこらへんの軽音楽部の高校生が持っているものとさほど変わらないので、Logicのプリセット音源と持っている楽器を駆使して音を作ります。
 以下の楽器がクレジットされています。これらをLogicで出来るだけ再現します。この複雑なアレンジはどんな楽器で出来ているのか見てみましょう。

■Drums
読んで字の如し。ドラムでございます。スネアとバスドラムが聴こえます。
Hal Blaineのドラムは音の美しさに定評があります。Logicでは、Seventies Kitを使用します。
Hal Blaine


■Temple Blocks, Cups
随所で鳴っているポコポコ聞こえるものがおそらくTemple Blocks、間奏でさらに高い音で鳴っているのがCupsでしょうか。一体どんなものを叩いているのかわからなかったので検索してみたところ、音から想像した通り、木製のポコポコ鳴りそうなものが並んでいる楽器でした。Logicのパーカッションの中に似たような音があったのでそれを使用します。

Temple Blocksの演奏動画

■String Bass
アコースティックベースの方です。全編に渡って低音を支えています。指で弾いて演奏しているようです。
LogicではStudio Upright Bassを使用。



■Electric Bass
メロディアスで印象的なエレクトリックベースの方です。ミュートされてギターのような音になっています。LogicのPuncy Muted Bassを使用し、ギターアンプのプラグインを挿しました。これで多少は音が近づいたと思います。

■Guitars
じゃんじゃか弾いているギター。家にある YAMAHA L-5を使用。エレキギターも入っているという噂がありますが、僕の耳には聞こえませぬ……。最終的に消したのか、他の楽器に埋もれているのかも不明。

■Tack Piano
Tack Pianoは弦とハンマーの間に鋲付きのシートを挟んで音色に変化を持たせたピアノです。Logicでは、Before Talkiesというホンキートンクピアノに近い音を採用。


明るく陽気なピアノを弾くのに適しています。
西部劇なんかが思い浮かびます。

■Harpsichord
チェンバロとも呼ばれる昔の楽器。冒頭からコード弾きをしています。クラシックではバロック音楽なんかによく使用されます。
Logicでは、Harpsichord - Dynamicを使用。Space Designerでリバーブを強めにかけます。

Harpsichord
ピアノと白黒が逆なのが印象的ですね。


■Electro-Theremin
テルミン。こんなレア楽器はLogicにありません。Clara Rockmoreという有名なテルミン奏者がいて、アルバム持っています。おもちゃみたいなテルミン買いましたが、まともに演奏できず、本棚に眠っています。
ということで、生演奏で録音できないので、MIDIで録音できないかなぁ〜と検索してみたら似たような音をES2で作っている方がいて、そこからもらってきました。本物とは少し違いますが、良い雰囲気を出していますのでこれを使用。
こちらにダウンロードリンクがあります。
http://www.logicprohelp.com/forum/viewtopic.php?t=36339

Theremin
独特の哀愁ある音色がします。
Pianoとの相性が良く、PianoとThereminの演奏は多く聞かれます。


■Bass Harmonica
これまた珍しい楽器です。ハーモニカアンサンブル等で使用される、低い音の出るハーモニカ。Logicにはなぜかハーモニカ関連の音が一切ありません……。なぜなのでしょう。
かなり悩みました。持っている普通のハーモニカをPitch Shifterで低音にしてみましたが、音がわけわからなくなって論外。低音のトロンボーンでごまかそうか。これも雰囲気が出ず却下。
Pet Soundsの音を作るのにバスハーモニカの存在はかなり大きいようです。テルミンのように音を作っている人いないかなぁ、と探すも見つからず。
この楽器が入っていると知ってしまった今、これがないと何か物足りない気がしてなりません。
じゃあ買うか、と思って調べてみるとどれも高い。五万円ほどから高いものだと十万円超えまで。一万円くらいでTOMBOが出しているPocket Bassなるものを発見しましたが、使いたい音が出ない。困り果ててヤフオクを覗いてみたら、TOMBOのOctave Bassを発見!一万円也。
口につけて演奏するハーモニカの中古ってちょっと気持ち悪いなぁと思いましたが、背に腹はかえられぬ、ということで入札しました。こんな楽器欲しがる人いないようで、僕だけが入札して落札w 当初の価格のまま一万円也。届いてみて驚いたのが、デカイw
重量1kg。ハーモニカクリーナーとアルコールで丹念に掃除して、早速吹いてみました。
重厚な音がして気持ちいい……。かなりいい感じです! Octave Bassという名前の通り、オクターブで音がなります。これを録音に使います。



大きい方が、TOMBO No.1142R Octave Bass
普通のブルースハープと比べるとそのでかさがわかります。



上段がC♯、下段がCのキーになっています。
これですべての音階が吹けるという仕組みですね。
バスハーモニカは吸って音を出すことはなく、すべて吹音になっています。

■Piccolo
いまいちどこで鳴っているのか聞こえませんが、おそらくI Guess I Just〜の手前のクラリネットのユニゾンの高い音と同じ音を吹いていると思われます。LogicのPiccolo Flute Legatoを使用します。

■Clarinets
■Bass Clarinets
この曲ではクラリネットもかなり重要な役割を担っています。クラリネットは低音も含め、Clarinet Section Legatoを使用します。全音域カバーしているので使い勝手がいいですね。

Clarinetのカルテット。右から二人目の方が吹いているのはBass Clarinet。
木管楽器ならではの暖かみのある音色がします。

■Vocals
例によって僕は一人で作りますので、全部僕の声を使います。


 ロック・ポップスでは見慣れない楽器が多いですね。ロックやポップスらしいのギター、ベース、ドラムくらいです。他はオーケストラの編成のようです。さらにテルミンというなんのジャンルにも属さない楽器が入っています。不思議な編成です。これが重なり合ってあの綺麗な曲になるのだから驚きですね。

つづく

2016/11/04

安全地帯 悲しみにさよなら

♪ 安全地帯 悲しみにさよなら


録音:2016年
機材:iMac Logic
楽器:Fender Telecaster
YAMAHA L-5

 急に寒くなって参りました。秋が短くて嫌になります。
 今回は、安全地帯の『悲しみにさようなら』のカバーです。I Just Wasn't Made For These Timesに熱中しておりますが、『悲しみにさようなら』が録音しっぱなしになっていたので仕上げました。
 シンプルでいい曲ですね。終盤の半音転調繰り返して上がっていくところが好きです。安全地帯はバンドですので、今回は久しぶりにバンドサウンドになっています。構成は、エレキギター2本、アコースティックギター1本、ドラム、ベース、シンセサイザーとなっております。アレンジは玉置浩二さんソロのライブバージョンを参考にしています。安全地帯のバージョンは結構音が硬く、かなりリバーブをかけていましたが、玉置さんバージョンは柔らかくすっきりした感じで、僕はこちらの方が好きです。玉置さんはライブでも歌に遜色がない、いや、ライブのがいいのでは!?と思わせるほどの歌唱力です。声もいいですしね。

 人気曲なので安全地帯のベストなんかには必ず入っている曲です。
 

 ソロでのライブバージョンはこちらで聴けます。Zepp Tokyoで演奏されたこのライブは玉置さんも調子が良くて最初から最後まで目が離せません♪
 CDとDVDが出ています。

                           

2016/11/03

The Beach Boys - I Just Wasn't Made For These Times (駄目な僕)〜耳コピ ボーカル編〜

 前回に引き続き、I Just Wasn't Made For These Timesという名曲のコピー談を書こうと思います。通常、耳コピといえば、コードを拾って、楽器を拾って、それが終わればいざ歌ってみましょう、となるのですが、この曲の場合、「コーラス」もコピーしなければなりません。I Just Wasn't Made For These Times (Stack-O-Vocals)というトラックを聞いてみてください。タイトル通り、ボーカルのみでミックスされたものなのですが、メインボーカルはいいでしょう。はっきり聞こえますし、何回も聞いているので覚えています。問題はLチャンネル、Rチャンネルから聞こえるコーラスです。パッと聞いただけだと何人分入っているのか分かりません。また、音を一個ずつ聴いていくしかないようです。
 I Keep Looking For a Place To Fit in〜They Say I Got Brains〜この部分はコーラスがなく、メインボーカルのみです。
 Each Time Things Start To Happen Again〜ここからコーラスが入ります。ウーとアーの中間のような、ただ口開けて声を出したような感じです。前回書いたクラリネットの三重奏と同じ音程でコーラスをしています。プラス低音でもう一人入っている気がしますが、はっきり聞き取れませんでした。
 Sometimes I Feel Very Sad〜からはさらにコーラスが増えます。Lチャンネルからは聖歌隊のような荘厳な雰囲気のコーラスが聞こえます。これが何を言っているのか分からず、かなり苦労しました。歌詞カードに載っていないのです。何遍も何遍も繰り返し聞いて分かったことには、どうやら英語ではないようだ。となると、もう僕にはその音を拾うしか手段がなくなります。というわけで歌詞を耳コピしたのが、これ。
Kuan ta se re
Un di a se re
Wo kuan ta se re
 僕の耳にはこう聞こえました。カタカナで書くと、「クァンタ〜セ〜レ〜、ウンディ〜ア〜セ〜レ〜、ウォ〜クァンタ〜セ〜レ〜」。これをアルファベットで書いただけです。で、すでにこの部分録音済なのですが、録音後に歌詞を発見してしまいました……。その歌詞をググったら英語版のWikipediaのI Just Wasn't Made For These Timesの項に普通に書いてありました^^; アアアアアア!!
 それによると、スペイン語で以下のように歌っているらしい。
"O cuando sere? Un dia sere"
 意味は英語で、"When will I be? One day I will be"。
 んー、音的には大体あってるからいいかw
 Rチャンネルから聞こえるコーラスについては、歌詞カードに記載があります。Can't find nothing〜の部分ですね。ここもあれあれ?ってなったのですが、この通りに聞こえなくないですか? どう聞いても Can't の部分がAin't に聞こえます。NothingもRight thingに聞こえる……。公式の歌詞カードが間違えているなんてあるのか?と思いますが、あるんですよね。さらにもう一つ、Rチャンネル中央寄りに高音でコーラスが入りますが、これまた歌詞カードに記載無し。いい加減にしろw これは英語じゃないかと思います。People I know don't wanna beと僕には聞こえました。後で見つけた歌詞サイトによると、People I know don't wanna be where I'm atとありますが、where I'm atというのは僕には聞こえません。
 最後の輪唱部分は、Each Time Things Start To Happen Again〜の部分と同じ音程でオクターブ高くなっています。高いFの音が最高音ですが、これはキツイ。Surf's Upカバーした時に、確か僕が出せる一番高い音だとか書いた気がしますが、それです。すごいキツイです。
 歌詞が掲載されているページを色々様々見てみましたが、これが一番正確だと思います(公式よりも^^;)。
I Just Wasn't Made For These Times LYRICS

 これでコピーは完了です。コピーしたら次は録音をします。次回は譜面なんかも載せて録音したときのことを書こうと思います。

つづく