2014/03/29

寸善尺魔 (Run Devil Run)

♪寸善尺魔 (Run Devil Run)


録音:2014年
機材:iMac Logic

曲を書く時に、イメージがすでにあって、そのイメージ通りの曲を書こうと思って書く場合があります。
それとは反対に、イメージより先に曲ができる場合があります。
僕は後者が多いです。
今回の曲もそうなのですが、これは一体なんの曲なんだろうw
最初にピアノのフレーズを思いつきました。
そして、メロディが浮かんで、ぱっとそれに合いそうな歌詞が出てきたのですが、これは一体何か。
女性の残り香追いかけて疾駆するなんて、まるで、いや、筋金入りの変質者。
やたら鼻が利くようです。
自分に全くその素質がないものが出てくるものだろうか。
もしや自分は……、と不安になります。
僕が変質者かどうかは一旦置いておいて、全く自分と違うキャラクタの曲は、出来るものです。
お酒飲めない人がお酒の演歌書いたり、あだち充みたいなオヂさんがタッチみたいな純愛漫画書いたり、小林亜星がひみつのアッコちゃん書いたりと、こういうことはあるんです。
従って僕が変質者だからこんな曲が出来たわけじゃあないのです。
あんまり言い訳すると逆に怪しいのでここら辺でやめますw

ミシェルの文章書いてる時に気付いたのですが、僕は四字熟語が好きなようです。
なぜだろう? と思い返してみて、そういえば、小さい頃ドラえもん四字熟語辞典とかいう学研か何かの付録についていた小冊子を読んでいたような気がします。
四字熟語がどんと書いてあって、漫画でその意味を説明する、みたいな内容だったはずです。
さすがに記憶が曖昧ですが、これの影響なんじゃないかと思うんですね〜。
四字熟語の何が好きなのか、と続けて考えてみたら、なんのことはない、言葉のリズムです。
一石二鳥、四面楚歌、温故知新、一刀両断、四苦八苦、七転八倒、以心伝心、雲散霧消、天真爛漫、切磋琢磨、本末転倒、曖昧模糊、因果応報、一心不乱、焼肉定食、なんかこう、リズムが良くないですか?
そして、文字数の割に意味を持たせられるエコな感じも好きなんだと思われます。

寸善尺魔。
仕事八時間、ビールの一口目わずか五秒。
作曲から録音、編集そして完成まで三週間、出来た曲たったの三分。
この走り続ける男、警察に追われ、親を捨て、友を裏切り、女の残り香を追いかけます。
欲しいのは香りだけのようです。
まことにハイリスク・ローリターンでございます。
「寸善」のために「尺魔」に耐え忍んで生きているようです。

はじめに思いついたピアノのフレーズをもとに、ベースやドラムなど配置しています。
このリズムと歌詞だけが曲のアクセントだったりします。
コードもメロディも平々凡々です。
また四字熟語出た。


舞い上がる砂埃に
目を細め走る僕は
真っ白い脱兎のように
残像だけが目に映るよ


あの娘の残り香
果てまで追って
追いつけ追い越せ
逃亡者


あのこのその手を
払い除けて
まだまだ走れよ
Run devil run

舞い降りる天使の羽
脇目振らず駆け抜ければ
真っ黒な狼虎のように
何もかもが邪魔に見える

あの娘の残り香
果てまで追って
持てよ囃せよ
傍観者

あのこのその手を
払い除けて
観ているだけなら
Fun fun fun

舞い狂うチョウチョの群れ
鱗粉あびて何も見えない
辛酸嘗めてここまで来て
手に入れたのはこの香りだけ

あの娘の残り香
果てまで追って
追いつめ詰められ
共謀者

あのこのその手を
払い除けて
まだまだ走るよ
Son of a gun


2014/03/22

ミシェル (Did I Spell It Right?)

♪ミシェル (Did I Spell It Right?)



録音:2014年
機材:iMac Logic

海外に出かけた気弱な日本人が、一念発起して一人でBarなるものに入店し、おそるおそる震える手で好きでもないマティーニなんかを飲んでいると、現地の女性に話しかけられる。
名前を聞いたが、綴りが分からない。
話をしているのだから、そんなものは後で辞典でも引けばいいものを、この男、どうでもいいことにひどくこだわる性質で、その場で綴り方が分からないことには、会話に集中出来ない。
相手もシツコサに観念してアルファベットを呟き出す。
彼は、おもむろに鉛筆を取り出し、小刀でそれを削り始め、彼女に「オォ、サムラーイ!」と言わしめた。
彼女は、さすがサムライの国、小刀も国民必携の品なのだと思った。
この東洋人、もとから細い目をさらに細めて、綴りを注意深く聞き、ようやく綴りを知ると、今度はそれを覚えないと気が済まない。
彼の記憶術は書く事だ。
彼は、親切な現地人が悩み事を語るのを無視して、一心不乱に綴り方の練習を続ける。
こんなやつといたって、楽しい訳がない。
彼女はそっと席を立って、身支度を始めた。
このダメ日本人は、鉛筆を置いて目を閉じ、頭の中で綴りを三度思い返して、いずれも間違いがない事を確認後顔を上げたが、すでに会話の相手はいなかった。
帰国してから、鉛筆持つたびにその時の事を思い出して後悔した。
千載一遇のチャンスを逃した。もっと聞きたい事があったのに。
馬鹿な事をしたもんだ。なんだかとんでもない美女だったような気もする。
しかしこの胴長短足の男、曲を作る、という特殊な能力を持っていた。
曲にすると不思議と憂鬱な気分が晴れる。
10年以上調律していないピアノの前に座って小一時間。
ピアノを弾きながら、自分が口癖のように繰り返したフレーズを口ずさんだ。

っていう曲ですw

こないだ、こういう静かなピアノの曲を聞いて、書いてみようと思ったです。
コードは二つだけです。
FM7add9とGm9thの繰り返しです。
テンションの多いコードは、音数が多いので、同じコードの繰り返しでもメロディの幅が広がります。
いろんなパタンのメロディをのせられますね。
今回は、声にいろいろエフェクトをかけてあります。

間奏とアウトロはピアノをジャズっぽく、あくまで「ぽく」弾いてみました。
ジャズのスケールが分からないので…。
AutoFilterで左右にぶんぶん振り回される音になってます。

ドラムは久しぶりにLogicのループです。
ループの16分音符ははねてませんが、ピアノソロははねてます。

そして動画はロジックの画面再登場。
一部を大公開w
90分程度の動画を縮めてるので早送りになっております。
元はもっと長い動画なのですが、それを縮めると、目にも留まらぬ早さになるので、やめました…。

Did I spell it right?
How do you spell it?
Did I spell it right?
How do you spell it? 
I can get it at once

Tululu

Did I spell it right?
How do you spell it?
Did I spell it right?
How do you spell it? 
I can get it at once

Tululu

Can I call your name when I’m goin’ insane?

Did I spell it right?
How do you spell it?
Did I spell it right?
How do you spell it? 
I can get it at once

Tululu

2014/03/18

Superstar

Carpenters『Superstar』





録音:2014年
機材:iMac、Logic、iMovie、iPhone5
楽器:KORG Trinity Plus

この曲は、もともとDelaney & Bonnieという人たちが1969年に発表した曲でして、その後カーペンターズがカバーしてヒットしました。

Delaney & Bonnieのバージョンはソウルフルでカーペンターズのカバーとはだいぶ毛色が違います。
カバーの際、タイトルもGroupie (Superstar)からSuperstarに変更されています。
カバーバージョンは数多く存在し、ミュージシャン受けする曲なのでしょう。

歌詞は、昔恋に落ちたギタリストが売れっ子になったがために捨てられた人の悲しい叫びのように思えます。

Groupieというのは、平たく言えば「大ファン」なのでしょうが、あんまりいい印象がありません。
熱狂的、おっかけ、マニア、病的、崇拝者、ストーカー、今こっちを見た、あの曲は自分のことを歌っている、いや違うわ私よ、なによあたしのがファン歴長いのよ、そのうち服の引っ張り合いみたいなことを始める、そんなイメージです。

ストーカーなんて書いてたら恐ろしいストーリーが思い浮かびました。
サビのDon' t you remember you told me you loved me baby?
これが妄想だったらどうでしょう?
彼女はそのギタリストと親交があったわけではないのです。
ギタリストは彼女のことなど知らないのです。
彼女が一方的に好きなのです。好きで好きでたまらないのです。
その悲しくも美しいギターの音色が、指先に刺さったトゲのように抜けなくて、抜こうとするとさらに奥に入り込んで、寝ても覚めても心がチクチクと心地良く痛むのです。
自分がこんなに好きなのだから、向こうも私を好きに違いない。
そうしていつしか、ギタリストから愛してると言われたのだと、必ず戻って来ると言われたのだと、妄想が彼女の中で現実になってゆくのです。
なぜ戻ってこないの?
私がこんなに待っているのに。
次第に、トイレに駆け込んで紙が無い時のような、比類なき絶望感を味わうようになります。
死ぬほど辛い。
手に入らないのなら、いっそこの世にいない方がいい。
この段階になると、周りも彼女の異変に気付き始めます。
目の焦点が合っていない、いつも同じTシャツを着ている、常に鼻歌を歌っている、会社の金を使い込んでクビになったらしい、勘当されたって聞いたよ、等々ある事ない事噂されるようになります。
ある日、問題のギタリストがライブを終え、自分の演奏を反芻してみて、うむ、今日もれいのソロは悲しくも美しい音色が出せた、ファンも喜んでくれただろうな、と充足感に満ち溢れて会場を出ると、見知らぬ女が包丁持って立っていた。
しかし自分のファンであることはすぐにわかった。
全国ツアーで販売されていたダサいTシャツを着ているのです。
そう思った瞬間、叫び声。
鋭い痛み。

きゃあ恐い。
これは僕の妄想で、実際はそんな歌詞じゃないと思いますw
売れるまで少ない収入で二人で慎ましく暮らし、一杯のかけそばを…って古いけど、それに近い生活をして七転び八起き、売れっ子になった途端、女優やらアイドルやらに囲まれて目移り。
そんなとこなんでしょうねー。


カレンは低音が魅力的ですね。
この曲のWikipedia見たらカレンが仮歌を歌ったんだけど、それがすでに完璧だったので、そのまま使われたとか…。
本当かしら。すごいな。

伴奏はほぼコピーです。
コピーは、耳コピは大変ですけど、アレンジ考える方が大変です。
エレキベースとピアノの低音がほぼ全編ユニゾンで入ってますが、これがいい雰囲気を出しています。
それから、時折存在を主張してくるエレピ、静かで鋭いドラム。
ストリングスとトランペットも入ります。
イントロと中間部には、フルート、フレンチホルン。
要所要所にハープのグリッサンド。
なかなかの楽器数です。

ボーカルはとわさんです。
大人っぽい低音を聞かせてくれます。
コーラスはわたくしでございます。
女性のとわさんが低い声、僕は裏声で高い声を出していますw

2014/03/05

Angel

♪Elvis Presley 『Angel』


録音:2014年
機材:iMac Logic

山下達郎のラジオ、青春放談に大滝詠一が出ている回で、この曲が流れました。
オリジナルはプレスリーなのでしょうか。
調べてみるとどうやらそのようです。
ビブラートが渋い、エルビスプレスリーらしい歌唱です。
プレスリーの映画でも流れていたようです。
映画の中では口パクなのですが昔の映画ってのはあんまり音楽と口があってませんな。
気になっちゃう。

ラジオで流れたのは、山下達郎のカバーのバージョンでした。
コーラスがたくさん入ってるやつ。
しょっぱなから、ほわぁーーってなりました。
TuTuTuのコーラスも心地いいし、リズムもノリノリだし、言うことなしです。

いつもマイクはShureのダイナミックマイクで、オーディオインターフェイスを通してMacに接続してるのですが、AmazonでUSBマイクが安かったので買ってみました。
どんな音で録れるんかいなーと、実験も兼ねてアカペラをやろうと思い立って、この曲を思い出しました。

買ったマイクはこれ
Blue デスクトップUSBマイク Snowball Brushed


デスクトップ用なので、高さ調節が出来ません。
ギターを弾きながら録音してみたら、ギターの音を大きく拾ってしまう様で、声がよく聞こえませんでした。
肝心の音質は、聴いての通りです。
いつものマイクより音がこもった感じが無いかなと思います。
すっきりした音です。
使い分けるといいかとしれません。
動画の真ん中にも映ってます。

今回やったのは、たつろーさんのアレンジでだいぶ複雑なコードになっていまして、出だしはF♯M7add9なのかなあ、コードの和音は基本三つの音から成りますが、いきなり五つの音で構成されています。
F♯、A♯、C♯、これでF♯の和音ですが、さらにM7の音のF、Add9のG♯が加わり五音の和音になっています。
全編こんな感じでジャズっぽいテンションコードが続きます。
この和音で、5声必要です。
ダブルトラックなので10声、Tititiのコーラスと同じ音でmmmのコーラスが入ってるのでさらに倍率ドン、コーラスだけで20声。
それと、angel〜の追っかけコーラスが3声のダブルで6声、リードが1声。
なので、えっと、全部足すと、27声です。
うわあ多いですね。
学校の合唱コンクール並みの人数が必要ですね。
せんせー!男子が歌ってませーん!なんていやに真面目な女子がチクる光景が思い出されますな。

27声も入っていますが、映像は三人ですw
iMovieで画面分割できないもので。
ファイナルカットプロがあれば出来そうだけど、高いしなあ…

2014/03/01

ねぇ (Hey)

♪ねぇ (Hey)



録音:2014年
機材:iMac Logic
楽器:YAMAHA SGV

オリジナルです。
いつもはとわさんが作詞作曲したものに、誠に僭越ながら、メロディを足したりなどしているのですが、この曲は歌詞だけ送ってもらって僕がメロディをつけました。
人の歌詞にメロディをつけるのは初めてです。
自分では出て来ないであろう歌詞にメロディをつけると、普段の自分では出て来ないメロディが出てくるような気がいたします。
歌詞にあいそうなメロディを、と意識するので、そうなるのだと思われます。

僕は今、赤面しながら出来上がった曲を聞いています。
このデュエットがなんだか小っ恥ずかしいw
自分が思春期真っ只中の、男子高校生ならいいのですが、暇さえあればビール飲んで、でれでれ酔って、前後不覚とまではいかないけれど、足元が浮くような錯覚に襲われ、観念してタクシーで帰るような、おっさんなのですから、このような歌詞で、しかも女性とデュエットで、スナックのホステスにデュエットせがんで、にやにや赤ら顔で歌を歌っている図と大差ないだろうと思われても、仕方がないのだと思えば、尚一層僕の顔は赤くなるばかりなのです。

まあ、それは置いといて、可愛らしい曲でしょう?
青春の男女に歌ってもらったら嬉しいなあと思います。
自分に青春があったのか、もはやうろ覚えではありますが、きっとあったのだと信じて歌うのが良いでしょうw

コードはオギュメント、6thがたくさん出てきます。
ブリッジは転調して、間奏でもとのキーGに戻ります。
歌は、交互になったり、ユニゾンになったりハモッたりしてます。
サウンドもなんだか可愛らしい感じにしました。

では、カラオケボックスのデュエット曲の歌詞風に歌詞を掲載いたしますw

♥︎
あのさ
♠︎
あのね
♥︎
なんかさ
♠︎
なんかね

♥︎♠︎
言葉にすると
形にすると
♥︎
壊れたり
♠︎
なくしたり
♥︎♠︎
するからさ

♥︎♠︎
だから
しまっておくんだ
言わないよ

♠︎
えっとさ
♥︎
えっとね
♠︎
実はさ
♥︎
実はね

♥︎♠︎
言いたい事が
伝えたい気持ちが
♠︎
あったり
♥︎
なかったり
♥︎♠︎
するからさ

♥︎♠︎
だから
歌ってしまえよ
メロディで

♥︎♠︎
sing it out, say it loud, make me shout, 
ねぇ

♥︎
だってさ
♠︎
だってね
♥︎
いつかさ
♠︎
いつかね

♥︎♠︎
伝わる時が
きっと来るから
♥︎
黙ったり
♠︎
ためらったり
♥︎♠︎
させてよね

♥︎♠︎
だから
鍵をかけてね
言わないよ