録音:2016年
機材:iMac Logic
楽器:YAMAHA L-5 TOMBO Ocrave Bass No.1142R
今回は、先日アップロードしたI Just Wasn't Made For These Timesのバッキングトラックです。バスハーモニカ、アコースティックギター以外の音は全てLogic Pro 9の音です。ほとんどデジタル音源で作ることができました。
もし僕が、60年代に青春を迎え、早くもPet Soundsの魅力に気づき、この曲を歌ってみたい! と思ったとしましょう。60年代の僕に何ができたでしょう? 想像するに、せいぜい大きなオープンリールのテープレコーダーを小金持ちから安く譲ってもらって、人から借りたギターか学校にあるピアノで弾き語りを録音するくらいが限界でしょう。それ以上を望むならば、The Beach Boysと同じ環境、各楽器のプレイヤーや録音エンジニア、防音スタジオ等々が必要になります。60年代の平々凡々な僕にそんなことはできる訳もなく、諦めるよりも前に、思い立ちもしなかったことでしょう。
それがどうでしょう。21世紀。12〜3万円で購入したMac、2万円ほどでダウンロードしたLogic Pro 9。1万円で購入したバスハーモニカ。五千円ほどで買ったアコースティックギター。その他付帯する機器も細々ありますけれども、それでも、コントラバス一台しか買えないような金額だと思います。それでも、ここまで再現できたわけです。
時代とともに音楽の敷居は低くなり、多くの人が「良い音」を出せるようになりました。間違えても、後から直せるようになりました。プレイヤーが一堂に会さなくても、多くの音を重ねられるようになりました。譜面が読めなくても、楽器を弾けなくても、作曲が出来るようになりました。それらによって、音楽は失ったことも多くあると思いますが、いずれにしても当時の生音源たちをMac上で再現できるというのは、現代テクノロジーの賜物です。
一方で、いつかもっと音がリアルになって、生身のプレイヤーというのは不要になってしまうのか、という寂しさもあります。事実、僕は全て宅録で、ほとんど全てキーボードで演奏、録音しています。生楽器を演奏する生身のプレイヤーはいませんでした。でも、今はまだ、生演奏には敵わない。そう思います。生身のプレイヤーがいないから、時間も金もないから、場所がないから、「仕方なく」コンピュータに音を出させています。人間の気持ち、情感、体調などからくる演奏への影響まで再現できていないから、コンピュータは生演奏には敵わない。それもいつか……。悲しい時に聞きたいピアノ演奏、嬉しい時に聞きたいギター演奏なんかをコンピュータが計算して、フィードバックしてくれるようになったりするかもしれませんね。それをするには、コンピュータ側に膨大な情報をインプットしなければならないでしょうから、もしそんなテクノロジーを創ろうと思う人がいても(すでにいるかもしれません)、それが一般に受け入れられるにはまだまだ時間がかかると思いますが。
ボーカロイドなんていう歌のシミュレータも出てきました。歌の方はさすがに生歌と比べて遜色が無いとはお世辞にも言えません。まだ、その人工的な感じがウリですよね。でも、これから、どんどん人間に近づいくことでしょう。いつかジョン・レノンの歌声を忠実に再現、とかができるようになり、没後100周年記念、ジョン・レノンの新曲発売!なんてことや、The Beatlesが仮想現実の中で再結成!なんていう気持ちの悪いことも現実になるのかもしれません。喉や手足のような構造的な機能は、いつか機械に取って代わられるような気がしてしまいます。
作曲にしたって、ある作曲家の曲、例えば筒美京平さんの膨大な曲を人工知能にすべて記憶させて、パターンを解析し、そこから筒美京平さんの書きそうな曲をシミュレート出来る、というような世の中が訪れるかもしれません。その時、生身のシンガー、コンポーザはそれらにどう立ち向かうのでしょうか。人間に出来て人工知能には出来ないことはなんなのでしょうか。
ヒラメキ。人工知能にヒラメキを再現できるでしょうか。ふとした瞬間に、メロディや歌詞が浮かぶ。あの感覚をコンピュータが計算できるでしょうか。分からない。ヒラメキがどういうメカニズムなのか、解明さらたらあるいは……とも思います。
ヒラメキというのは、人間がそれまでに見聞きしてきた膨大な情報量の上に、ぽこっと顔を出すようなものなのだと思っています。氷山の一角がヒラメキで、実は水面下に膨大な知識、経験があるものです。もし、その水面下をコンピュータ上で再現できたら、人工知能もヒラメクのでしょうか。分からない。んー……やっぱり出来ない気もする。コンピュータの中に、いろいろな情報を記憶させてヒラメキを「シミュレート」することは出来そうですが。
作詞なんかは人工知能には難しいかもしれませんね。自分の育ってきた環境、その時感じたこと、言わばその人間の歴史が歌詞になるのだと思うので、人工知能には難しいのでは無いかと思います。そこまで再現するには、人工知能に人間と同じような人生を歩ませる必要があります。今僕が想像できる人工知能の人生は無味乾燥なものしか思い浮かびません。OSを入れられたのが人生の始まり。それから数日間でどうやら人間らしいデータを記録されて、どうにか人間らしい思考が出来るようになった。人間が泣いたり笑ったりするのがどんな時なのか、データでは知っているが、自発的にその感情が芽生えることは無い。データと照らし合わせて同じ、または似通った状態であることが分かるくらい。これじゃあ歌詞なんて書けなそうです。せいぜいレポートが書けるくらいでしょうか。
世界五分前仮設というのがあります。自分が認識している世界は、実は五分前にできたものだと。これを言われた人間はこう答えます。そんなはずはない。六分前の記憶がある。しかしこう反論されます。その記憶も五分前に植え付けたものです、というような思考実験ですが、これと逆のことを人工知能に施すことが出来たら……。人工知能の全ての記憶はたった五分前にインプットされたものなのに、当の人工知能はまるで五十年間生きてきたと錯覚する、錯覚できるデータをインプット出来たらどうなるのでしょうか。
もうここまできたらターミネータの世界ですね。そのうち、人工知能に自我が芽生えて、人間に反逆。機械と人間の戦争が始まってしまいます。そうなったらもう音楽どころではありませんねw
話が飛躍しすぎて訳わからなくなりました。
100年、200年後、人類がまだ文明を保っているとして、その時代にどんな音楽が流れているのか、知ることは出来なそうですが、想像するのは楽しいかもしれません。
作曲にしたって、ある作曲家の曲、例えば筒美京平さんの膨大な曲を人工知能にすべて記憶させて、パターンを解析し、そこから筒美京平さんの書きそうな曲をシミュレート出来る、というような世の中が訪れるかもしれません。その時、生身のシンガー、コンポーザはそれらにどう立ち向かうのでしょうか。人間に出来て人工知能には出来ないことはなんなのでしょうか。
ヒラメキ。人工知能にヒラメキを再現できるでしょうか。ふとした瞬間に、メロディや歌詞が浮かぶ。あの感覚をコンピュータが計算できるでしょうか。分からない。ヒラメキがどういうメカニズムなのか、解明さらたらあるいは……とも思います。
ヒラメキというのは、人間がそれまでに見聞きしてきた膨大な情報量の上に、ぽこっと顔を出すようなものなのだと思っています。氷山の一角がヒラメキで、実は水面下に膨大な知識、経験があるものです。もし、その水面下をコンピュータ上で再現できたら、人工知能もヒラメクのでしょうか。分からない。んー……やっぱり出来ない気もする。コンピュータの中に、いろいろな情報を記憶させてヒラメキを「シミュレート」することは出来そうですが。
作詞なんかは人工知能には難しいかもしれませんね。自分の育ってきた環境、その時感じたこと、言わばその人間の歴史が歌詞になるのだと思うので、人工知能には難しいのでは無いかと思います。そこまで再現するには、人工知能に人間と同じような人生を歩ませる必要があります。今僕が想像できる人工知能の人生は無味乾燥なものしか思い浮かびません。OSを入れられたのが人生の始まり。それから数日間でどうやら人間らしいデータを記録されて、どうにか人間らしい思考が出来るようになった。人間が泣いたり笑ったりするのがどんな時なのか、データでは知っているが、自発的にその感情が芽生えることは無い。データと照らし合わせて同じ、または似通った状態であることが分かるくらい。これじゃあ歌詞なんて書けなそうです。せいぜいレポートが書けるくらいでしょうか。
世界五分前仮設というのがあります。自分が認識している世界は、実は五分前にできたものだと。これを言われた人間はこう答えます。そんなはずはない。六分前の記憶がある。しかしこう反論されます。その記憶も五分前に植え付けたものです、というような思考実験ですが、これと逆のことを人工知能に施すことが出来たら……。人工知能の全ての記憶はたった五分前にインプットされたものなのに、当の人工知能はまるで五十年間生きてきたと錯覚する、錯覚できるデータをインプット出来たらどうなるのでしょうか。
もうここまできたらターミネータの世界ですね。そのうち、人工知能に自我が芽生えて、人間に反逆。機械と人間の戦争が始まってしまいます。そうなったらもう音楽どころではありませんねw
話が飛躍しすぎて訳わからなくなりました。
100年、200年後、人類がまだ文明を保っているとして、その時代にどんな音楽が流れているのか、知ることは出来なそうですが、想像するのは楽しいかもしれません。
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